61. 山田道場の絹本着色阿弥陀如来立像
(やまだどうじょうのけんぽんちゃくしょくあみだにょらいりゅうぞう)
 縦64.2cm、横28.6cm。裏書の写しに「大谷本願寺釈実如(しゃくじつにょ)〈花押) 永正(えいしょう)十二乙亥(きのとい)七月二十八日 照蓮寺門徒 濃州郡上郡山田庄野田郷阿千葉(あちば) 願主釈了正(りょうしょう)」とある。これは剣の野田恒夫家の古記録と一致する。了正は東氏の一族繁胤(しげたね)で、永正12年(1515)大坂石山本願寺の実如上人のもとで得度(とくど)し、本尊と六字名号を与えられ、阿千葉の木蛇寺跡あたりに道場を建てこれを安置した。其の後多少の変動はあったが、現在山田道場(当主山田助雄)の本尊として伝承されている。絵像は少し小ぶりであるが、その保存状態はきわめてよく、截金の文様は剥落(はくらく)することなく、鮮明にのこっている