25. 白雲山出土陶器 (はくうんざんしゅつどとうき)
 白雲山からは以前から各種の出土物があり、古墓群(こぼぐん)もあるため、平成5年と6年に学術発掘が行われた。現在も整理中であるが、5年出土のうち4点を記述する。

古瀬戸瓶子(こせとへいし)(鎌倉時代)1点
 器高28.0cm、口径5.6cm、底径10.8cm、肩と胴に6条の線がある。平底で枯葉釉(かれはゆう)がかかっており、重厚な感じがする。

古瀬戸三耳壷(さんじこ)(鎌倉末期)1点
 器高23.8cm、口径11.0cm、底径9.8cm、部厚な折返し口縁がつけられ、高台は八の字形である。鉄分の多い枯葉釉がかかっている。三耳壷は当町2個目の出土である。

古瀬戸四耳壷(しじこ)(鎌倉後期)1点
 器高22.8cm、口径7.6cm、底径9.4cmで、高台(こうだい)は比較的高く八の字に造られ、1部破損している。頸部(けいぶ)は逆八の字形で、釉にはむらがある。

土びん
 15世紀終わり〜16世紀はじめのもので、口縁が破損、注口部も先端が無いが、胴部への接着部は菊の花型にへラでおさえ、肩には鉄釉(てつゆう)が厚くかかり、1部がなだれている。以上4点は全部納骨器に使用され、三耳壷以外は底部に小穴が開けられている。